■ 誕生

 近年、コンピューターハードウェアの処理能力の高速化、大容量化に伴い、CGは次々とフルカラー化され、ゲームCGもその例外ではありません。しかし、CDに何百枚にも及ぶフル画面(640×480ドット程度の)のフルカラーCGを収録するとなると、その容量は何百MBにもなります。また、CDからの読み込み時間も、ゲームプレイヤーに与えるストレスの一因となります。
 そこで、画像を平均1/3以下にまで可逆で圧縮し、それと同時に、簡単な実装と、高速な展開を実現する目的で、圧縮画像の仕様が考案されました。
 これが、ERI フォーマットです。
 当初、ERI フォーマットは、静止画像の可逆圧縮のみをサポートしていましたが、現在では、画像の非可逆圧縮、音声の圧縮、動画像の圧縮までをもサポートするようになりました。
 

■ 正式名称・正しい呼び方

 ERI という名前は、標準の画像ファイルと言う事で、Windows Bitmap などの命名方法に習って、Entis Rasterized Image format と名付けられました。これの頭文字をとって ERI です。
 ファイルの拡張子に関しての取り決めはありませんが、混乱を招かないように、"eri"とする事が仕様で推奨されています。
 そして、ERIフォーマットの読み方ですが、「えりちゃん」と読みます。ここで注意していただきたいのは、「えりちゃんフォーマット」ではないと言う事です。「ERIフォーマット」=「えりちゃん」です。また、漢字では、「恵理ちゃん」と書く事が推奨されていますが、あなたの想いを寄せている”えりちゃん”でも構いません(笑)。
 

■ 可逆圧縮って?

 画像などの圧縮フォーマットは、可逆圧縮と、非可逆圧縮の2種類に分類されます。
 可逆圧縮と言うのは、PNGに代表される圧縮方式で、情報の欠損が一切無い圧縮方式です。つまり、画質の劣化は発生しません。
 一方、非可逆圧縮と言うのは、JPEGに代表される圧縮方式で、情報の欠損がある圧縮圧縮方式です。この方式では、画像を一度圧縮するたびに画質が劣化してしまいます。
 ERI フォーマットは可逆の画像圧縮フォーマットですので、ERI に圧縮しされた画像は、完全に元どおりのデータに復元する事が出来ます。
 

■ 分類

 ERIフォーマットは、後でかなりの機能拡張されたため、現在ではかなり広範囲のマルチメディア圧縮をサポートしています。
 さらに今後は、汎用圧縮(アーカイブ/圧縮/暗号化)への対応も予定されております。
 これらを、以下のように実装の水準(分かりやすく言えばERIの発展の歴史)にフォーマットを分類しています。
 
分類 通称 対応範囲 内容・特徴
ERI第1水準
(ERI Layer-1)
標準ERI 画像の可逆圧縮 展開速度が非常に高速。
おおむねPNGより高圧縮。
ERI第2水準
(ERI Layer-2)
ERINA
拡張ERI
画像の可逆圧縮 展開速度が非常に高速。
PNGやJPEG200と比較しても高圧縮。
ERI第3水準
(ERI Layer-3)
ERINA
非可逆ERI
画像の非可逆圧縮 高品位での圧縮では、JPEGより高圧縮。
ERI第4水準
(ERI Layer-4)
MIO 音声の可逆圧縮
音声の非可逆圧縮
音声の圧縮では、MP3よりおおむね、高品位・高圧縮。
ERI第5水準
(ERI Layer-5)
ERISA 汎用圧縮
画像の可逆圧縮
画像の非可逆圧縮
音声の可逆圧縮
音声の非可逆圧縮
現在、規格を策定中。