1年前に飛び立った母なる惑星が再び目前に迫ってきた。既に新型電気推進エンジンの実証実験は完了している。 俺はこれから、世界初の電気推進エンジンによる地球スイングバイに臨む。
青い惑星を背に、俺は行く。 荷電粒子を噴射し、俺は行く。 遥かなる小惑星に。
俺の星姿勢計-目-【スタートラッカー】が彼方に小惑星を捉える。 これよりランデブーのための精密軌道を決定する。 この先に俺を待っているのは希望か、それとも絶望か?
そして現実はその姿を現す。 何を求め・・・ 何を観測し・・・ 何を採取し・・・ 何を分析し・・・ 何を証明するのか・・・
やがて一つの希望は、その器を母なる惑星へと回帰させ、標本の深淵に刻まれた起源の記憶を思い起こさせるだろう。 故に、隼は行く・・・・・・